会長が病院へ担ぎ込まれた、その日。
「もう、大丈夫?」
「はい。ありがとうございました」
私は寮の保健室で少し見てもらい、寮長に自分の部屋へ連れてってもらった。
部屋に連れてきてくれた無所属寮の寮長は梅田 綾子さん。
長い黒髪は、茶ッ毛の私には実にうらやましい。
「ちょっと、この部屋について説明させてくれる?」
「あ、はい。どうぞ」
寮長は丁寧に部屋の説明をしてくれた。
「部屋は一人一つ。机に載っているパソコンはいつでも使用可能よ。あ、テレビ電話なんかもできるわ。トイレは各部屋についてるけど、お風呂は2階に大浴場があるから、使ってね。トイレは各部屋についてるから、洗濯物は一階のコインランドリーでね」
少し広めの部屋は、トイレ、ベッド、テレビ、机、クローゼット、内線電話、時計、などが設置してある。
寮にしては、なかなか広いものだ。ビジネスホテルと言っても過言ではないだろう。
「食事は、一回の食堂で。もう開いてるから、行っても大丈夫よ。あ、10時までだから気をつけてね」
「はい。ありがとうございました」
「いいえ、何か解らないことがあったらいつでも言って頂戴。それじゃ、体調に気をつけて」
「はい」
ドアが静に閉まった。
麻美は大きなため息をつくと、ベッドへたおれこんだ。
―――ショックだった。
いや、正しく言えばなにがショックだったのかわからないけど、会長があんなになって、なんだか、心が沈んだ。
やっぱり彼は幼い12歳。
私は彼に何かを期待していたのだろうか?
「・・・・会長、大丈夫かな・・・」
麻美は何かを振り切るように、勢い良く立ち上がった。
「よし、食堂行こっ!」
・・・・・・・・・・なんだコレは。
「ねーねー!莉季様とはどんな関係なの!?」「何で莉季様と親しそうなの!?」「どうやって莉季様と知り合ったの!?」
「え・・あ、あの」
食堂でゆっくりご飯を食べようと思えば、何故女子に囲まれる?
しかも、聞いてくるのは副会長のことばかり。
保健室にいるとき、一度だけ副会長が会長の容体を知らせてくれた。
その時を見られたんだろう。
「え・・あ、、その、バス停の前で、体調悪くなって、そしたら、通りすがった莉季さんにたすけられて・・・」
私が生徒会に入ったことはいけないんだった。
「へーなんだ」
あれほど寄ってきていた女子は波が引くように、去っていってしまった。
「なんだ・・?」
「あれはね、副会長さんである莉季さんの熱烈なファンよ」
「寮長」
綾子は、麻美の横に座ると、静かに和食セットを食べ始めた。
その合間に麻美の質問にも答えてくれた。
「副会長・・じゃなくて、莉季さんはそんなに人気なんですか?」
「そりゃもーすごいわよ。生徒会メンバーって正直、顔悪くないでしょ。特に人気なのが会長。ショタが多いのかしら、ここは」
「ショタって・・、すごいんですね」
「ココって、委員会所属の者たちより、無所属のほうが多いの。それにもともと女子高だった朝校は何となく女子が多くて、無所属はほとんど女だしね」
麻美は最後の一口を食べ終った。
「ごちそうさまでした。あ、寮長。お先に失礼します」
「はい。あ、名前で呼んでくださっていいですよ」
「はい」
麻美は食器を返して、部屋へ向かった。
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ちなみに、白虎←ビャッコって読みます。
いろいろ語ったっちゃいますよーん
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