またね。

こちらも募集のお題で。

小説です。
いや、小説じゃないな。
小説とか言ったらたぶん偽りに・・・・

ハイ。
ごめんさい。


小説ー言いながら小説にならなかったパターンです。

４００年前の話。
空の上に人の知らない世界があった。
そこは真っ白で、ただ世界が広がっている。
「あぁぁぁあああああー!!!」
ボクはコノ世界のヒーロー。
だからボクは敵を倒し、剣を振るい、牙をむいた。
「あぁぁー・・・・・」
ボクは倒し続けた。
そうしたら、ボクは一人になった。


毎日毎日、冷たい涙を流す。
泣いて、泣いて、顔が痛くなった。
顔が、真っ赤になった。
そんなある日

『大丈夫よ』

優しい声が聞こえた。


「君は誰だい？」

『私は誰でもないわ。私は私』

「何を言っているんだ？」

彼女の言っている事は良く分からなかったけれど
ボクは声を詰まらせた。

『大丈夫よ』

赤くなった顔を、優しくなでてくれた。
彼女が差し伸べてくれた手は、少し冷たかった。
たとえ、彼女が死を操る者だとしても、ボクはその手を取るしかできなかった。
ボクの大好きな黒い天使。
ボクの宝物。君の黒い羽。

　
「１００年後また、会おう。同じ満月の夜。この、月の綺麗に見える丘で」

『ええ。紅い百合をもって、ここにくるわ。絶対。だから見つけてね』




３００年前の話。
寒い、寒い、満月の夜が来た。
「来てくれるかな」
月の綺麗に見える丘に、一つ、白い墓があった。
その主は
世界の孤独なヒーロー。
ひとりぼっちのヒーロー。
味方のいないヒーロー。

『ヒーロー。ヒーロー』

墓に綺麗な黒い羽が落ちた。

『ヒーロー。約束は忘れてないよ』

「うん。ボクも忘れていないよ」

『紅い百合、綺麗でしょう？』

「あぁ、綺麗だよ」

『月が綺麗でしょう？』

「あぁ、月光がまぶしいな」


月は二人を照らし
『約束』の『鍵』となった。
月光は二人の思いとなり
二人の世界となった。
紅い百合は
二人の指を繋ぐ『赤い糸』となった。


これは２００年前の話。
可愛そうな神と死神のお話。