今日は日曜日。
ハッピーマンデーとやらの最後の3連休。
父さんから電話があった。
『明日は休みだろう。莉季と一緒に帰ってきなさい』
オレはあまり気が乗らない。
家は夏さんと夏さんの母親の恵理子さんだけしかいない。
・・・・いづらいんだ。
学校の街外にある実家は電車で少し行ったところだ。
その電車には、兄ちゃんは乗っていない。
『ごめん。明日部活の試合の応援で出かけるんだけど・・・裕也行くの?』
『あぁ、行くよ』
『・・・・せめて、オレと一緒の時に行こう?』
『大丈夫だよ。町外れくらい一人で行ける』
『そうじゃなくてっ』
『大丈夫だって。何を心配してるのさ?父さんも帰って来いっていってるし』
正直、後悔している。
「只今帰りました」
裕也は挨拶をするが、答えは無い。
リビングへつながるドアをあけると、テレビの音とシンクへ流れる水の音。
「帰りました」
「・・・・・」
台所の水場の前へ立っている彼女は恵理子さん。
莉季の実の母であり、夏さんの母でもある。
彼女を『母』とは呼んではいけない。
昔、呼ぼうとすると怒られた事がある。
「恵理子さん、ここにお土産置いておきます」
「どうも」
オレは『恵理子さん』と呼ぶ。
裕也は途中駅で買ったお土産をテーブルへ置くと、久しぶりの自分の部屋へ入った。
「・・・・あ」
恵理子さんはオレの事が嫌いなはずなのに、久しぶりに入る部屋はホコリっぽくない。
「・・・・わっかんねぇ」
裕也はベッドへ寝転んだ。
やはり、綺麗なベッド。
それからどれくらいだろう。
うとうとして裕也は眠った。
ドンッドンッドンッ!!!
「!?」
ドアを叩くけたたましい音に起こされた。
この・・・この感じは・・っ
バァアンッ!
「ひっ!」
「オラァ!またいやがんのか!」
荒々しく登場したのは、莉季の兄、夏。
バシッ!
「っ!」
夏は勢いよく、裕也の頬を叩いた。
裕也の唇から血が流れた。
「オマエ、いい加減オレの前から消えろよ!」
「っう!」
裕也の小さい体は、22歳の大きな夏が胸倉を掴んだだけでも、体が宙に浮く。
「うざいんだよ・・・っ!」
「ぅあっ!」
壁に思いっきり放り投げられた。
「・・・・っつ!」
その衝撃に裕也は息を詰まらせる。
「こんの・・・!」
「兄貴!!」
夏が裕也の腹を蹴ろうとした時、部屋に息を切らして入ってきたのは。
「・・・に・・い・・・ちゃん・・・・っ」
「出て行けっ!」
「ッチ」
夏は莉季を飛ばして、出て行った。
「大丈夫か!?」
「・・・・っ・・・大丈夫・・・」
莉季は倒れている裕也を起こすと、ベッドへ寝せた。
「何で・・・、応援じゃ・・・」
「気になって、急いで来たんだ」
莉季は部屋に入ってくるとき、肩で息をしていた。
今も、額にはうっすら汗を浮かべている。
「・・っごめん・・・、オレが抵抗でいない・・・から・・」
莉季はティッシュで裕也の唇の血を拭いた。
「いいよ。謝るな。オレのせいでもあるから」
莉季も裕也もしばらくすると、眠ってしまった。
- ABOUT
- 日
01 | 2025/02 | 03 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ||||||
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
- 刻み
- ビジター
- 時
- 輪
- ラヂオ
- 類
- 自
ちなみに、白虎←ビャッコって読みます。
いろいろ語ったっちゃいますよーん
*ASIAN KANG-FU GENERATION*
*BUMP OF CHICKEN*
*red balloon*
*有川 浩*
*CLAMP*
*高山 しのぶ*
*naked ape*
*松本 大洋*
*世の中の頭のいい人*
*すんごい優しい人*
*大切な友達*
*親友*
*尊敬できる絵の上手い友達*
*薬売り*
■□以上ノ人ゼンブ神□■
- 言葉
- 記
- 探