「はぁー良い湯だったぁ」
麻美が入寮して2ヶ月が経った、ある日の事。
チカッ チカッ
パソコンのテレビ電話が入った知らせがあった。
今はもう9時だ。電話にしては少し遅い時間帯だろう。
「はい。森谷麻美ですが」
「・・・ザザッ・・・・・や・ザッ・・麻美・・オ・ザザッ・・・うや・・」
テレビ電話に写る画面は砂嵐が少し入り、音声も乱れている。
「もしもし?」
「・・・・だ!・・・ザザッ・・裕也だ!」
「裕也くん!?」
声ははっきり聞こえるようになったが、相変らず写る画面は砂嵐が入る。
「どうしたんですか!?」
裕也の声はどこか必死な雰囲気がある。それに、砂嵐の間に写る風景は、どこかの古びた倉庫のようだ。
「スマン。他の誰にも連絡つかなくて、今どこかの倉庫に監禁されてて」
「はぁあ!?か、監禁!?」
「多分しでかしたのは生徒達だろう。このことを今すぐ生徒会寮に行って知らせてくれ!あとはあいつらがなんとかオレを出してくれるはずだから」
「わ、わかりました!」
「たのんだ・・・ブツッ・・・・・ッツーッツーッツー」
裕也の声は途中で途切れてしまった。
つけっぱなしのパソコンを放り出し、生徒会寮へ駆け出した。
「ちょ、麻美さん!?もうすぐ消灯時間よ!」
「あ、綾子さん!すぐに戻りますから!」
寮長の警告を聞きながらも、ダッシュした。
――――裕也くん―――。
バァアン!!
麻美は『生徒会寮』と書かれた札の下がったドアを思いっきり開けた。
「莉季さぁああん!!!」
「うぅっわ!!どうした!大丈夫か!?」
「え、何!?」
「麻美さん!?」
勢いが良すぎたせいか、すっころんだ麻美を生徒会メンバーは優しく起こした。
「で、どうした。そんなに急いで」
「裕也くんが、監禁されたって!」
「監禁・・・。それって生徒の仕業か?」
「はい、裕也くん自身が言っていました」
「・・・・・そうか。なら、君は寮へ帰って大丈夫だ」
「・・・えっ?」
「大丈夫。オレ達がなんとかするから」
岳浩は優しく言うが、麻美は不安でならない。
「だいじょーぶ、オレ等はそんな弱くないし、裕也だってそんなよわかねーよ」
「・・・・・はい・・。じゃあ、失礼します」
「あ、茶ぐらい飲んでいけ。岳、彼女のキズの手当てよろしく」
「はい。あぁ、麻美さん膝すりむいちゃってるね、どうぞ、ソファ座って」
「あ・・・すいません。」
膝にキズテープをつけながら、無所属の寮に帰ると、
『遅い!30分も待たせるんじゃない!』
時間にルーズなのは嫌いなのか、綾子にヒドく怒らせてしまった麻美であった。
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12 | 2025/01 | 02 |
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- 刻み
- ビジター
- 時
- 輪
- ラヂオ
- 類
- 自
ちなみに、白虎←ビャッコって読みます。
いろいろ語ったっちゃいますよーん
*ASIAN KANG-FU GENERATION*
*BUMP OF CHICKEN*
*red balloon*
*有川 浩*
*CLAMP*
*高山 しのぶ*
*naked ape*
*松本 大洋*
*世の中の頭のいい人*
*すんごい優しい人*
*大切な友達*
*親友*
*尊敬できる絵の上手い友達*
*薬売り*
■□以上ノ人ゼンブ神□■
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